とうめいな日々

30代、仕事を辞めてゼロから再出発。

夏は終わるもの

 

先日、東京が39℃を記録したというニュースを聞いて、思わず声が出てしまいました。39℃て…。人が生きていける気温じゃないなぁ。その頃こちらは30℃にも届かない気温だったので、本当に同じ国の話なのかと首を傾げる程です。不思議な国だ。

 

それはそうとして、甲子園が始まったり、ふとどこかで花火が上がっていたり、夏大本番いよいよ始動といった感じですね。

 

基本、夏は嫌いです。

暑いし、虫いるし、電気代もあほみたいにかかるし、でも熱中症になるとそれ以上にお金かかるし、信じられん。でも、どうしてか夏が過ぎていくスピード感は嫌いじゃないです。

どれだけ暑くても、どんなに楽しい思い出が出来ても、夏は終わるもの。

「終わる」という感覚が、他の季節より強いように思います。

 

個人的に四季の終焉に感覚をつけるとしたら、

 

春は過ぎる

夏は終わる

秋は暮れる

冬は明ける

 

みたいな感じです。

 

春は気付いたら通り過ぎてる。雪が解けたことに気付くと同時に梅が咲いていて、バタバタしている間に桜は散るし、気付けばツツジが咲いていて、それもあっという間に落ちて、そこかしこが深い緑になって、毎年「今年も桜みなかったな」とか思いながら気付いたらもう最高気温が夏日に届いている。春も終わったな、というより、春が過ぎてったな、みたいな印象が残ります。春は瞬足。

夏は闘いの終わりのイメージ。暑い暑いと騒いでる内にお盆がすぎて、夜は30℃を切るようになって、朝方冷えることに気付いてホッとする。個人的に甲子園が好きなのも理由の一つなんですが、甲子園の終わり、戦いの終わり、お祭りの終わり、どこかで誰かが大きな何かを乗り越えようと戦う季節のイメージです。(私は虫の恐怖と夏バテと戦っています。)だから、夏の終わりは熾烈な戦いの"終わり"。

秋はそのまま日が暮れるスピード感と、同時に周囲の色がだんだん落ちていく雰囲気。ギラギラと光ってた新緑も、勢いよく咲いていた花も枯れて、代わりにキンモクセイとかコスモスとか、主張の控えめな、だけど可憐な植物の出番。冬に向けて彩度が落ちて、お祭りも一つ一つ終わって、着るものが増えて、かぶる布団が増えて、ちょっとだけ周囲が静かになっていく。本当は10月には秋が深まっていてほしいんですが、最近は10月もまだ暑くて、秋といえば11月のイメージです。

私の中で冬の終わりは雪解けの量です。北国で生まれ育った私は、冬の間アスファルトの鼠色を一切目にしなくなります。なので3月の中旬頃に久々に地面を見た時は、あ、春が近いなと実感します。閉じていた雪道から道路が見えた時、道端によけられていた雪山が消えて緑がのぞいたとき、あらゆる景色を封鎖していた冬という存在が明けたなと思います。それはほとんど夜明けみたいなもので、再始動の季節だと思っています。

 

日本に四季があってよかった。

夏は嫌いだけど…つらくても楽しくても、誰の夏も平等に終わっていくから悪くないなと歳を重ねて感じるようになりました。

この夏は去年までとは違う戦いの夏。どんな夏になるのか分かりませんが、いつかは必ず終わるこの季節を後悔しないように生きていきたいです。